申し込みブラックが怖くて動けない…そんなご相談を頂くことは非常に多い。でも、結論からいえばファクタリングには銀行やカードローンのような申し込みブラックはありません。これは金融系のルールであってファクタリングは違う。でも、だからといって、無策で突っ込めば別の落とし穴にハマってしまう。業界人としてシッカリ解説させて頂きます
そもそも、申し込みブラックとは、短期間に複数社へ連続で申し込んだ時に審査がとおりづらくなる現象のこと。
ビジネスローンやクレジットカードの審査においては、このような申し込みブラックが存在することは広く知られている。
『ファクタリングにも、そんな申し込みブラックが存在するんじゃ?』
そのような不安を感じている経営者の方は多いようです。
少しでも、好条件で請求書を買い取ってほしいから、複数の事業者に相見積もりを取りたいが、申し込みブラックの影が見え隠れしてどうにも身動きができない…。
今日は、業界の裏事情を知り尽くしたクール・ペイターが徹底的に解説しようと思います。
結論から申し上げます。
ファクタリングに「申し込みブラック」は存在しません(存在してはなりません)。
まず安心して下さい。
ファクタリングは根本的に金融系の借入とは性質が異なります。
そして、ファクタリングには申し込みブラックという概念はありません。
むしろ、請求書(将来債権)という資産を、より好条件で買い取ってくれる事業者を見つけるためにも複数社に相見積もりを出すべきです。
しかし、いくらそれを言っても、不安が拭えない人もいると思いますから、この後、「何故、ファクタリングには申し込みブラックが存在しない」と断言できるのかを徹底的に解説したいと思います。
ファクタリングにはどうして申込みブラックがないのか?
ここからは、ファクタリングの審査時、申し込みブラックという概念がないことを説明します。
まだ不安を感じている方も多いと思いますが、明確な理由を理解することでその不安を払拭し、誰もが気軽に相見積もりを取って頂けたらと思います。
理由1. ファクタリングは債権の売却であり、本質的に「資産の換金」だから
銀行融資やビジネスローンなどの貸金業者は「信用」を担保にお金を貸していますが、ファクタリング業者は「売掛金」という所有資産を買い取って利用者に手元資金を送金します。
多くの方は、貸金とファクタリングを混合しますが、その性質は明確に異なっていて、ファクタリングは例えるならば「ロレックスの時計を中古買取店に持っていく」のと同じなのです。
| 契約形態 | 主な審査の指標 |
|---|---|
| 貸金業による貸付 | 「この人はちゃんとお金を返せるか?」という個人の信用を見ます。 |
| ファクタリング | 「このロレックス(売掛金)は本物か?いくらの価値があるか?」を鑑定します。 |
つまりは、ファクタリング業者は買取業者です。
ロレックスの時計を買い取ってもらう時に、複数の買取業者に相見積もりを取ることを咎める者はいませんよね?
それが、請求書に置き換わっても理屈は代わりません。
理由2. ファクタリング業者の情報共有の範囲
銀行や消費者金融は信用情報機関(CICやJICCなど)で全ての申込状況を共有します。
これは、貸金業登録をしている事業者に限定された権限によるものであって、このような特殊な権限をもたないファクタリング事業者が他社と情報共有することは違法行為です。
ファクタリング業界にも情報信用機関は存在しますが、 一部、業界団体によるトラブル(二重譲渡や偽造など)の情報共有は行われることはありますが、「ただ査定を申し込んだだけ」のクリーンな情報を共有することは、プライバシーポリシーや法律の観点からも許されません。
ファクタリング業界にも信用情報機関が存在します。
JFIC(ジャパンファクタリング損用情報機関)がその一つですが、ここで情報共有をされるのはファクタリング利用時に悪質な行為をした利用者の情報に限定されており、申込み者情報を共有することはありません。
原則として、ファクタリングには申し込みブラックが存在しない
上記2つの理由により、ファクタリングの審査においては、申し込みブラックは存在しないと断言できます。
正確にいえば、「存在してはならない」のです。
だからこそ、自身が所有する請求書(将来債権)という資産を最大限に好条件で買取りしてもらえるよう、複数のファクタリング事業者に相見積もりを取るべきだと私は考えています。
しかし、申し込みブラックが存在しないと断言する一方で、例外ケースがあることも忘れてはいけません。
ただし例外もある(ここが本当の注意点)
「ファクタリングには申込みブラックがない」と断言しました。
これは間違いではありません。
しかし、例外として、複数社への申込みがマイナスに働くもあることを解説いたします。
例外1. 運営者が同一の場合
ファクタリング会社によっては、複数のファクタリングサービスを展開している場合があります。
これは、運営会社情報をみればすぐに分かることですが、サービス名が違うと、一見して同じ事業者のサービスとは判断しづらい場合があります。なお、同一の事業者であれば、申込者の情報を共有することは違法ではありません。
※ひとつの事業者が複数のファクタリングサービスを提供している事例
OLTA(オルタ)株式会社
自社で運営する「OLTA クラウドファクタリング」のほかに、多くの地方銀行と提携して「共同ブランド」を展開しています。
それらは、「powered by OLTA」というように表記されていますので申込み前にチェックしましょう。
株式会社ラボル(旧:株式会社セレス)
東証プライム上場の株式会社セレスの子会社ですが、サービスの性質によって複数のファクタリングサービスを展開しています。
labol(ラボル)
主にフリーランス・個人事業主向けの少額・即日AI審査のファクタリングサービスを複数展開
日本中小企業金融サポート機構(一般社団法人)
非営利団体としての安心感を打ち出していますが、サービス内容の違いのある複数のファクタリングサービスを展開しています。「日本中小企業金融サポート機構」「ファクタリング365」などがあります。
GMOペイメントゲートウェイ(GMOグループ)
巨大グループゆえに、決済サービスに付随する形で複数の窓口が存在します。GMO B2B 早払い、GMO フリーランスファクタリング(フリーランス向け)GMOあおぞらネット銀行のファクタリングサービスなどが該当します。
これらの複数サービスを展開する事業者が申込者の情報を共有しているかどうかは断定できませんが、少なくても、同一事業者であれば情報共有することは違法行為といえません。
例外2. 売掛先への確認をする場合
2者間ファクタリングであっても、審査の際に申込者が許諾をした場合に限って、ファクタリング事業者から売掛先に取引実態や債権の実在確認をするために連絡を入れる場合があります。
もしも、複数のファクタリング事業者が同一の売掛先に確認を入れた場合に、売掛先担当者が「他のファクタリング業者からも確認電話が入っているよ」というようなことを伝えてしまい、複数のファクタリング事業者に申込みをしている事実がバレてしまい、結果的に審査に影響をする場合があります。
例外3. 債権譲渡登記が入っている場合
申込み時点で債権譲渡登記をいれることは基本的にありえないように思えますが、既に債権譲渡登記が入っている場合、その情報は法務局に問い合わせることで第三者も閲覧できてしまい、他社ファクタリングサービスを利用しているという事実が明らかになってしまいます。
債権譲渡登記が入っていることは、その事実自体がネガティブではありませんが、複数社のファクタリング会社を利用しているという事実から、資金繰りに窮していると勘ぐられてしまい、審査が不利になる可能性があります。
例外4. 入出金履歴に他事業者名がある場合
通帳の履歴に他社からの入金跡があれば、併用していることは一発でバレます。
これも、複数の事業者に申し込んだ場合というよりも、既に利用しているファクタリング会社がある場合のケースですが、他社でもファクタリングを利用しているという事実をネガティブに捉えるファクタリング事業者は多いです。
例外5. ファクタリング事業者の横つながり
本来はあってはならないことなのですが、一部のファクタリング会社では、申込者の情報を秘密裏に共有しているという噂をよく耳にします。
前述のとおり、これは違法行為ですが「100%ない」とは言い切れませんから、複数社への申込みが審査に影響を及ぼすことになる可能性もありえます。
しかし、いくら審査の精度を高めるためとはいえ、このような違法行為を行うファクタリング事業者とは契約すべきではないですから、むしろ、これを理由に審査が否決だったとしても気にすることはありません。
ファクタリング会社が申込者の情報を他社と共有した時に適用される罰則・法律
- 個人情報保護法違反(第三者提供の制限)
個人情報保護法第27条では、「あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはならない」と定められています。
何がダメなのか: 申し込み時に書いた氏名、電話番号、売掛先の情報、通帳のコピーなどはすべて「個人データ」です。これを、自社の審査以外(他社への共有)に使うことは、事前の同意がない限り明確な違反です。
罰則: 個人情報保護委員会からの勧告や命令に従わない場合、「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」(第173条)などの刑事罰が科される可能性があります。また、法人に対しては最大1億円の罰金という非常に重いペナルティがあります。
- 偽計業務妨害罪(ケースによる)
もし、共有された嘘の情報や、悪意のある噂(「あの客は飛ばし(未払い)の常習犯だ」など)によって、他の業者が「契約したかったのに断らざるを得なくなった」場合、情報を流した側が「偽計業務妨害罪」に問われる可能性があります。 - 民法上の不法行為(損害賠償請求)
これは「罪(刑罰)」ではありませんが、利用者側が被る実害に対する責任です。
勝手な情報共有のせいで、他社での審査に落ちて資金調達ができず、倒産や大きな不利益を被った場合、利用者はその業者に対して「慰謝料」や「損害賠償」を請求できます(民法709条)。
例外6. 相見積もりを嫌う事業者も
他社でも相見積もりをしていることを伝えると敬遠するファクタリング事業者もあります。
この理由は様々ですが、折角、与信をして査定結果を出しても、他社と契約してしまう可能性も高いため、与信の手間が無駄になることを危惧する場合が多いようです。
実際のところ、与信業務は簡単ではありませんから、気持ちは分からなくはありません。
複数社に相見積もりをとる場合の攻略法
「隠すこと」こそが最大の審査落ちリスクです。
現役の与信担当者から言わせれば、隠し事をする経営者は信頼できません。
だから、申込後、ファクタリング事業者から「他社にも申し込んでますか?」というような質問をされたならば、事実を隠さずに「はい」と答えることを推奨します。
何度も申し上げているとおり、ファクタリングには申し込みブラックという概念は基本的にありませんし、相見積もりを取ることは悪いことではないのですから、後ろめたさを感じずに正直に伝えることが重要です。
「他社も当たっていますか?」と聞かれたら、堂々とこう答えなさい。
- 「より好条件で契約してくれるパートナーを探しています」 (経営者としてコスト意識が高いことをアピール)
- 「今後、長くお付き合いできる信頼性を各社比較して判断したいと考えています」 (単発の金策ではなく、経営判断であることを強調)
- 「初めての利用なので、相場を正しく把握するために数社お声がけしています」 (不慣れなことを隠さず、透明性を見せる)
まとめ
ファクタリングに申し込みブラックはありません。
大切なのは、「隠れてコソコソ数社に申し込む」のではなく、「経営合理性のために比較検討している」というスタンスを貫くことです。
正々堂々と相見積もりをとり、あなたの会社の売掛金を最も高く評価してくれる「最高のパートナー」を見つけられることを心から願っております!

